そこから何とはなしに、しかし口々に語られる昔を、アザミネは一様に嫌っている。
年寄りどもが昔語りしかしないのは今に始まったことじゃない。
ここ数時間通信を送ってくるテイマーどもも、あのリザレクションとかいうグレムリンに乗ってた奴もそうだ。
どれを聞く必要がある。
俺が生きなきゃいけないのはいつだって今で、二度と戻ってきそうにない時間に引きずられた連中に巻き込まれている暇はない。
フリーランサーの連中が置いていった肉の缶詰をレンチで叩き割って中身にありつく。
強い塩気のある液体がどろりと絡んだ合成肉ブロックは、今この状況で食えるものとしては上の上。
あいつらはこれも常通り、ぐだぐだと文句を垂れながら食べるんだろう。
いざ奪われようとなったら全力で守り通すくせに。